ソフトバンクのドラフト2位右腕、三菱重工広島・杉山一樹投手(21)は不思議な期待を抱かせるルーキーだ。

ソフトバンクは今季のドラフトで、1位の159キロ右腕、東洋大・甲斐野央投手(22)ら即戦力投手を多く指名した。杉山もその1人だ。192センチの長身から最速153キロの直球を武器にする。先発、救援でフル回転してきたタフネスさも魅力だが、何よりそのキャラクターが「プロ野球選手」らしさを感じさせる。

球団のアンケートで自己PR欄に「自分大好き」と記した。これだけ見ればただのナルシシストだが、もう少し奥が深い。「きつい練習をしているとき、みんなより追い込んでいるな、とか。試合で何連投もしているとき『やべえ、俺』みたいな。自分のすべてを愛している」とニタニタ顔で話していた。

三菱重工広島で出合ったのが元広島、阪神の町田公二郎監督だ。高校時代は投手だった町田監督から「打者も投手も下半身の使い方が大事」と指導を受け、開花した。まだまだ伸びしろ十分。工藤監督が予告する地獄の春キャンプも「楽しみです」と歓迎する。ドM系自分大好きルーキーが鷹の投手陣に割って入る。【ソフトバンク担当 山本大地】