ソフトバンク和田毅投手(37)が、盟友をサプライズで送り出した。22日、熊本市内で今季限りで引退した巨人杉内俊哉2軍投手コーチ(38)と野球教室に参加。その場で粋な演出を用意していた。子どもたちを前にしてのトーク中に、松中信彦氏(44)と城島健司氏(42)がダイエーのユニホーム姿で登場。杉内コーチ、和田もダイエーのユニホームに着替え、即席の「引退登板」が始まった。

杉内コーチの引退試合がないと知り、同学年の和田が企画した。捕手はプロ入り時の正捕手だった城島氏、打席には当時の主砲・松中氏が立った。和田も球審を務め、杉内コーチはマウンドへ。現役さながらのフォームで軟式ボールを投じ空振りを奪った。杉内コーチは「びっくりです。泣きそうになりました。今の自分がいるのは城島さんのおかげ。何回も怒られた。若い選手に経験やアドバイスを伝えられると思う」と感激しきりだった。

残り少ないダイエー戦士として、和田は城島氏から「一緒にやっていたメンバーが減っていくのは寂しい。1年でも長くやってほしい」と思いを託された。先輩に囲まれ「新人に戻った気分。まずは来年、しっかり投げられるように」と誓った。【山本大地】

◆03年のダイエー 3年ぶりのリーグ優勝を果たし、阪神を破って99年以来の日本一。2年目の杉内は自身初の10勝で、日本シリーズでは2勝を挙げてMVP。ルーキーの和田は14勝で新人王。日本シリーズ第7戦では完投勝利で胴上げ投手となった。城島はMVP、松中は打点王の活躍で、ともに打率3割・30本塁打をクリアし、井口、バルデスと「100打点カルテット」を形成。2人が中心の強力打線はリーグ新記録の822得点を挙げ、チーム打率2割9分7厘もプロ野球記録。