ソフトバンク中村晃外野手(29)が22日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約交渉を行い、来季から年俸変動制の4年契約を結んだ。来季は8000万円アップの2億4000万円プラス出来高でサイン。昨年に続き、今年もテレビでおなじみの北村晴男弁護士(62)が同席。4年間、減俸はなく、出来高で勝ち取った額が翌年の年俸ベースとなる破格の契約内容を勝ち取った。(金額は推定)

打てば打つほど、アップする。打撃職人の中村晃にとって、願ってもない大型の4年契約となった。「福岡が好き。ホークスというチームが大好きなので、ずっといたいというのはあった。4年を提示してもらえたのは、すごくうれしかった」と、笑顔でホークス愛を口にした。

順調にいけば来季、国内FA権を取得する。打順、守備位置(外野、一塁)関係なくレギュラーとして出続ける中村晃に対し、球団は4年契約を提示。当初、年俸は固定制だったが、“行列のできる”北村弁護士が、中村晃のモチベーションを最大限に引き出す年俸変動制の好条件を引き出した。まず、減俸はない。出来高も今季は上限があったが、制限をなくした。数字を上げれば上げるほど稼げる。来季勝ち取った出来高は、そのまま年俸にプラスされる。北村弁護士は「より高いモチベーションを維持できる契約。同じ働きを続けていけば自動的に上がる。4年後には4・5億は超える。もっと超えるかもしれない」と説明した。

来季30歳を迎える中村晃に対して4年契約を結んだ三笠球団統括本部本部長は「まだまだ成長していく選手。高校から入って若いころから苦労した。お手本になる選手」と、高卒から不動のレギュラーにはい上がった部分も評価した。

長打力アップを求めた今季は自己最多の14本塁打をマーク。打率も2割9分2厘と昨年よりアップした。「もう少し打率が下がると思ったが、その中で見つけたこともある。もう1度3割をクリアできるように。本塁打も最低15本。(タイトルは)首位打者が一番狙える」と、長打も打てる3割打者を目指す。

1月は恒例の沖縄・宮古島ではなく、長崎で自主トレを行う。メンバーは釜元、育成田城、ロッテ菅野。同じ球場で和田らも自主トレを行うため、早い時期から投手の球を体感できるメリットもある。「4年は長いが1年、1年が勝負。1日、1日やっていきたい。もっと野球がうまくなりたい」と大型契約にも気持ちは緩むことはない。来季は2年ぶりの全試合出場でリーグ優勝、3年連続日本一に貢献する。【石橋隆雄】