ソフトバンク今宮健太内野手(27)が26日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、4年契約で4000万円増の2億6000万円プラス出来高で更改した。今季99試合の出場にとどまった今宮にとっては「想定外」のビッグ契約。来季中に国内FA権を取得するが「恩返しするためにも、1年でも長くこのホークスで戦っていきたい」と、生涯ホークス宣言も飛び出した。

交渉のテーブルについた球団首脳の顔が、今宮には遅れてきたサンタクロースに見えたかもしれない。年俸は今季から4000万円もアップし、さらに4年契約。出来高もプラスされ、来季以降は獲得した出来高も年俸に組み込まれてベースになるビッグ契約だ。

「ビックリしました。すごくモチベーションが上がるというか、単純な複数年契約じゃない。この4年間でチームに恩返ししたい。1年でも長くこのホークスで戦っていきたい」。結んだ契約の大きさに、今宮は口元を引き締めた。

苦悩の1年だった。昨年から悩まされた右肘痛のため、開幕から調子が上がらず、6月には離脱。後半戦で左太もも裏の肉離れも起こした。「ケガしかなかったシーズン。若いから大丈夫と思っていたツケが来た。できれば振り返りたくない1年」。今季は出場99試合にとどまり、6年連続受賞を目指したゴールデングラブ賞も逃した。遊撃のレギュラーに定着して以来、最低のシーズンとなっただけに悔しさも募る。

順調なら来季中に国内FA権を取得。球団からすれば4年契約は再取得までの「拘束」の意味合いもあるが、今宮は契約満了後もホークスでの活躍を誓う。「僕は九州、大分生まれだし、家族一同ダイエーからのホークスファン。FAする気もないし、ずっとホークスでやるつもり。1年でも長くこの球団で野球ができるようにしたい」と生涯ホークス宣言も飛び出した。

慢心はない。「毎年言っているけど打率3割は打ちたい。本塁打も20本。高い目標を持ってやりたい」。来季から背番号も「2」から「6」に変更。「守り」だけでなく「打撃」でもさらに成長を見せつける覚悟だ。「打てる選手にモデルチェンジしていきたい」。来季は節目のプロ10年目。大型契約を手に、今宮はさらなる飛躍を誓った。【佐竹英治】(金額は推定)