年の瀬に、紙面で使う「カット」を棚卸しすると…ほこりをかぶったカットが出てきました。「胸キュン内証ばなし」は、92年4月以来の出番です。ヤクルト宮本慎也ヘッドコーチ(48)のオフらしい素顔をどうぞ!

神宮球場から北へ直線距離で約800キロ。現役時代から、とにかく野球に厳しいヤクルト宮本ヘッドコーチが、極寒の雪国で子煩悩な「父の顔」を見せた。29日、札幌ドームで行われた12球団ジュニアトーナメント準決勝。ヤクルトジュニアの応援スタンド最前列に「東京音頭」に合わせてメガホンを振る姿があった。

長男の恭佑投手(6年)の出番は、味方が1点差に詰め寄った直後の5回にやってきた。「ベンチ前でキャッチボールをしていたら『落ち着いていけ』という父の声が聞こえた」という背番号14は、西武の「リトル山賊打線」を3者凡退に仕留める好救援。一方で、父は「『勢いを止めるなよ』と思いながら見ていた」とハラハラドキドキだ。惜しくも1点差で敗れたが「最初の頃と比べて、みんな強くなった」と優しい笑顔で健闘をたたえた。

「ユニホームをもらった時、身が引き締まった」という恭佑投手。父とおそろいのユニホーム姿に胸を張り「将来はプロ野球選手になりたい」。親子の強い絆に「きゅん」と温かい気持ちになった。【中島宙恵】