中日与田剛監督(53)が闘将の愛情継承を誓った。4日に球団年賀式に出席し、約150人の関係者を前に新年のあいさつ。「誰に何と言われようと、優勝の2文字を目指して戦っていきたい。中日という文字をこれまで以上に見る機会が増えた。逆から見ると、日本の中心と取れる。野球界の中心として、精いっぱい戦いたい。ユニホームを脱がされるまで、はいつくばって戦う」と、8年ぶりのリーグ制覇に力を込めた。

この日は、元中日監督だった星野仙一氏の一周忌。「ああいう方の教えを我々教え子が引き継げる。当然、星野さんにはなれない。怖いイメージがあるが、一番教わったのは愛情。選手やファンへの愛情を持っていた。思いをしっかりつないでいきたい」と話した。与田監督がドラフト1位で中日に入団した時の指揮官が星野氏だった。1年目の開幕戦で守護神に抜てきし、新人王と最優秀救援投手賞に導いてくれた忘れられない恩師だ。師匠が見せた愛情を継承することを誓った。

しかし、鉄拳は引き継がない。15年オフに楽天球団副会長だった星野氏から投手コーチ就任を要請された。「(鉄拳も辞さない)星野流でいいですか」と確認すると「それはあかん」と、師匠から直々に却下。「選手が悪いことをしたら、叱る。でもそこは星野流じゃなく、やさしくします」と鉄拳封印を宣言した。「選手や子どもは宝物と星野さんが言ってたことが印象に残っている」。年末年始は千葉県内の自宅で、選手の映像やデータを確認した。キャンプインまで約1カ月。与田監督は、師匠の愛情を胸に、低迷するチームの再建に全力を注ぐ。