日本ハムのドラフト3位、生田目翼投手(23=日本通運)が9日、マイペースで新人合同自主トレのスタートを切った。同期には甲子園で活躍した知名度の高い高卒新人がそろうが、若さに流されないことがテーマ。初日は淡々と全メニューを消化した。視察した栗山英樹監督(57)から期待される開幕1軍入りへ、即戦力右腕がルーキー最年長らしく始動した。

23歳のルーキーは周囲の騒がしさにも自然体だった。生田目は「落ち着いていこうかなと。オトナの対応で」とちゃめっ気たっぷりに笑った。6学年下となる高卒新人と真っ向勝負で張り合う気はない。ポール際から中堅までのダッシュでは、勢いよく駆けだす同期に振り回されず、できる範囲の走力で。「みんな若い。体が動いていてうらやましい」。冗談交じりに話したが、マイペースで新人合同自主トレ初日を終えた。

今季の新人最年長。高卒新人とは徐々に仲は深めているが「あえて距離を置いています。人気のある選手も多いけど、できるだけ気にしないように端っこにいたい」と謙虚に話した。若い勢いに巻き込まれて自分を見失えば、オーバーペースにもなりかねない。栗山監督からは前日8日の面談で、開幕1軍入りを目指すことを求められた。「即戦力として期待していただいている。期待を裏切らないように自分をアピールしたい」と意気込んだ。

この日、グラウンド入りは一番乗りだった。「みんなオドオドしていたので、自分が先に行くよって」。尻込みしていた他の新人を勇気づけるように先陣を切った。「みんなに頼っていただけるようにしたい」とどこまでも謙虚だが、おとこ気も持ちあわせるのが即戦力右腕の魅力。「若さに負けないように技術を上げていきたい。自分の力を見せられれば」。オトナの立ち振る舞いでプロ野球人生をスタートさせた。【木下大輔】