偶然の巡り合わせだった。巨人ドラフト1位の高橋優貴投手(21=八戸学院大)が10日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた新人合同自主トレ2日目に参加。「丸さんが高校生の時の試合を、母親と見に行ったことがあるんです」とこの日、自主トレで同球場を訪れた丸との縁を明かした。

さかのぼること13年前。高校野球観戦に熱中していた当時9歳の高橋少年は、茨城で開催された06年秋季関東大会で千葉経大付の試合をスタンドから観戦した。高校2年で、同校のエースと打線の主軸を担っていた丸の印象を「投手もバッティングも両方すごかったです」と振り返る。「同じチームになるとは夢にも思っていなかったです」と“再会”に驚いた。

時がたってもやっぱりすごかった。練習前にロッカールームで緊張しながらあいさつ。室内練習場でのノック中、同じフィールドの一角で丸がマシンを打ち込んでいた。自身の練習に集中しながらも、耳でスイングの迫力を体感した。「自分がこれまでいた世界では、あり得ないような打球音だった。でもこれからそういった打者と対戦していかないといけないと思えば、もっともっとレベルアップが必要だと思いました」と成長への道しるべを得た。「まずは自分が1軍に上がって、同じフィールドに立てるように頑張りたい」。競演を夢見て、鍛錬を重ねる。【桑原幹久】