【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=四竈衛】2011年以来、8年ぶりに日本球界へ復帰する巨人岩隈久志投手(37=前マリナーズ)が、同地郊外で自主トレを公開した。17年9月の右肩手術から完全復活を目指す今季は、開幕からの先発ローテ入りが目標。マ軍時代の盟友で同学年のヤクルト青木宣親外野手(37)との対決にも意欲をみせた。

日本で迎える球春が待ち遠しそうだった。ロス地方では珍しく、未明からの悪天候のため、室内練習となったが、岩隈の動きは終始軽やかだった。フライングディスクを追うランニング、フットボールを使ったスローイングはメジャー仕込み。休む間もなく、キャッチボールなどのメニューをこなすと、噴き出す汗を気持ち良さそうに拭った。「体づくりをしっかりやること。キャンプに耐えるというか、みんなと一緒に開幕へ向けていい状態に作っていきたい」。日本の公式球でもツーシームなど球の動きは好感触を得ており、ブランクへの不安もない。

近郊では、連覇を遂げた09年WBCで同僚だった青木も自主トレ中。今回、予定していた“呉越同舟トレ”こそ実現しなかったものの、開幕後は直接対決が待ち受ける。メジャーでは7打数1安打と抑えたが、岩隈にすれば、日本時代を含め痛打された印象が強い。「ノリ(青木)にはめちゃくちゃ打たれた。(米国でも)しっかり芯に当たってますから。でも、すごく楽しみですね」。

日米通算19年目、170勝の実力者も17年は6試合登板で未勝利、昨季は登板なく終わった。「挑戦する気持ち。若手がローテに入り込む気持ちと変わらない。その中でアドバイスできることがあれば」。宮崎キャンプでは、独自調整を認められる見込みだが、試合で投げたい気持ちは、誰よりも強い。「ここ2年くらい投げていないので、その気持ちはしっかり持ちつつ、焦らずにいきたいと思います」と、貪欲さを隠そうとしなかった。

同地には今月中旬まで滞在し、帰国後はジャイアンツ球場で自主トレを続ける予定。「楽しみの方が大きいですね。上原さんも阿部さんもいるので溶け込みやすいと思います」。2月1日、そして開幕へ-。岩隈の笑顔が、状態の良さを物語っていた。