青空に高々と上がった白球は、ぐんぐん伸びてフェンスを軽々と越えた。ヤクルトの「中山きんに君」がパワーを見せつけた。ドラフト2位中山翔太外野手(22=法大)が18日、埼玉・戸田球場での新人合同自主トレ初のフリー打撃で58スイング中12発の柵越えを放った。右翼から左翼方向へ強風の吹くコンディション。中山は「普通です。捉えきれないのが多かった。もっとイメージ通りの打撃ができたら」と淡々と振り返り、橿渕スカウトグループデスクも「(風の)フォローもあったし、まだまだ秘めているものがある」とさらなる飛躍を願ったが、素質の高さをアピールするには十分だった。

3冠王を目標に掲げる右の大砲が大学時代から使用するバットは、エンゼルスのアルバート・プホルスモデルだ。01年ナ・リーグ新人王で3割、30本、100打点を10年連続で達成した強打者を「憧れではないけど、すごいと思う。それくらいなれるように頑張りたい」と意識する。

未来の4番候補がパワーを見せつけたこの日、鎌ケ谷では日本ハム吉田輝が初めてブルペン入りした。「あまり甲子園を見ていないけど、球が速い。マウスピースのイメージ」と独特の感想。リーグこそ違うが「対戦したら打ちたいです」と宣言した。【保坂恭子】