ミスタータイガースの再来!? 阪神の新外国人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が29日、兵庫県西宮市の球団事務所で入団会見に臨んだ。

背番号は掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブアドバイザー(SEA=63)の「31」を継承。首脳陣は一塁で起用する方向だが、三塁守備にも意欲。掛布氏以来となる背番号31の「4番サード」が甲子園に登場する可能性が出てきた。

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マルテは誇らしげにユニホーム姿を披露した。大きな背中には31番が輝く。全国のファンから愛され、球史を彩ったミスタータイガースの代名詞。球団関係者からその特別な意味を聞いた4番候補は、言葉に感謝と敬意を込めた。

「すごく誇らしい気持ちでいっぱい。この番号にふさわしくなれるような選手になりたい。自分がその番号を付けてプレーして『マルテ選手が付けていた番号を付けたい』と言われるような選手になりたい」

首脳陣の基本構想は一塁での起用だ。しかし会見では意外な事実を口にした。守備について話題が及ぶと「もともと私は、三塁手として育ってきた」と明かした。マジメなマルテは複数ポジションの要求に応えられるように準備。2月1日から始まる沖縄・宜野座キャンプでは三塁手用のグラブもバッグに詰め込む。背番号31の虎戦士が甲子園で「4番サード」のアナウンスで登場すれば、掛布氏以来となる。

「二刀流」の後輩から、日本野球の講義も受けていた。昨年はエンゼルスで大谷とともにプレー。9月30日のシーズン最終戦では自らは4番に座り、3番大谷とクリーンアップを組んだ。年下ながら「しっかりとした動きのなかでバッティングができる」と大谷をリスペクトする。そして、力強いエールをもらっていた。「自分のやることをしっかりするだけだと思うよ。成功するように応援してる。(阪神は)ファンがいっぱいいる。とても熱狂的なファンがいる。競争がすごい素晴らしいチームだよ」。

マルテは幼少の頃から日本野球に興味を持っていたという。会見でも「アリガトウ」「ゲンキ」「コンニチワ」と日本語も披露。明るい性格でチームにも早く溶け込みそうだ。「31」の新戦力が甲子園で大暴れすれば、矢野阪神は浮上の推進力を得る。【桝井聡】

◆谷本球団副社長兼球団本部長は元助っ人コンビがマルテを高く評価していることを明かした。会見の冒頭で「彼は攻撃的な打者ではありますけど、選球眼が非常に良い。シーツ、ウィリアムスの両駐米スカウトも高く評価している」と話した。打順についても「我々も彼を打線の中軸と考えている」と主砲として期待した。