日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、目の肥えた“BG”をうならせた。

キャンプイン初日のフリー打撃を、鋭い視線で見つめていたのは専属ボディーガードのジョン・クロフォード氏。かつて大谷を担当し、両者の打撃を間近で見ているレアな米国人も絶賛。第2クールからの打撃制限解除へ、思わぬ後押しを受けた。

アメージングな打球を連発した。清宮が、頼もしい“相棒”をアーチでうならせた。晴れ渡る青空の下、フリー打撃のゲージに入った。杉谷から「キャンプの始まりです。お願いします!」と託され、絶叫。「バッティング始めまーす!」。昨年は、右手親指の負傷でお預けだったアリゾナでのフリー打撃。笑みをこぼし、無邪気にバットを振った。

推定飛距離130メートル弾など39スイングで柵越え5本。鋭い眼光で見つめていたのが、専属ボディーガードを務めるクロフォード氏だった。現地警備会社「Eスタッフ」から派遣されるボディーガードで愛称「J・C」。同氏は16、17年の2年間、大谷の専属として奮闘。一部の熱狂的なファンから守り切った手腕を買われ、昨季からは2年連続で清宮の専属を任されている。その難攻不落な大男の鋭い眼光が、清宮目がけて光った。

任務中同様、冷静沈着な視線は瞬時に捉えた。「スゴイ、スゴイネ!」と、すぐにハートを揺さぶられた様子だ。生粋の野球ファン。初めて目の当たりにした清宮の打撃に、思わず日本語で声を上げた。同氏は「オータニもだけどメジャーに行ってから活躍するか、しないかだからね」「キヨミヤが打撃中は他の任務をしているから、ちゃんと見ていないんだよ」と厳重!? に前置きしながらも「スゴ~イネ」と称賛しきりだ。

清宮によると「あまり飛ばしすぎないように、無理はしない程度に」という力加減だったが、屈強なボディーガードをうならせるには十分だった。現地時間5日の第2クールからは、打撃制限が解除される予定。清宮は「やっぱり気持ちいいですね。こんなにも最高な環境の中でやらせてもらっている。油断せずに確実に1歩1歩やっていけたら」と笑った。周囲の期待もふくらむ2年目が、幕を開けた。

◆清宮の1年目キャンプ 1月18日に右手親指を負傷し、右手母指基節骨骨挫傷と診断される。キャンプ前に一時、ティー打撃などを再開したが、2月1日からの米アリゾナキャンプでは打撃練習回避が続いた。実戦デビューとなった現地10日の韓国TKとの練習試合は、途中出場で一塁守備のみ。同日ティー打撃を再開し、2次キャンプ地の沖縄入り後の21日に初の屋外フリー打撃を実施した。実戦デビューは24日の中日とのオープン戦(北谷)だった。