オリックスは4日、宮崎・清武で行われている春季キャンプで入団テストを行っていた成瀬善久投手(33=前ヤクルト)の獲得を発表した。背番号は「46」で、年俸1500万円プラス出来高払いとなった。当初は第2クールまでテストする予定だったが、2度のブルペンの投球と、シート打撃の内容を評価され、前倒しで合格となった。

「正直ホッとしています。1度諦めかけたプロ野球でしたが、このような場を設けてもらって、感謝しかない。1つでも多く勝って、チームのために仕事をしていきたい」

ベテランの経験と意地を見せた。この日、シート打撃に登板。今季先発候補の宗、山足、西浦を相手に2打席ずつ対戦。先頭の宗は追い込んでからインコースへのスライダーで空振り三振。直球は最速135キロながら、スライダーとチェンジアップをコースに投げ分けた。6打席で安打性を2本に抑えた。西村監督は「内容自体も悪くなかった。本来の良さもあったし、あれだけ投げられたら十分」と獲得の理由を説明した。

横浜高の先輩にあたる中日松坂の活躍に刺激を受けた。「あの姿は僕にとってはプラス。高校の先輩として刺激になりました。僕が先にやめるのはダメだと思います」と笑顔。続けて、「僕自身もまだまだやりたい気持ちがあった。野球を好きだからこそチャンスをいただけたと思う。結果を残したい」。通算100勝まで残り4勝。カムバック賞を受賞した先輩に続けと、実績ある左腕が新天地で復活を目指す。(金額は推定)【古財稜明】