ホームラン王がさらなる進化の足がかりとなる“1号”を放った。西武の宮崎・南郷春季キャンプ第2クール初日の5日、山川穂高内野手(27)が同僚相手のフリー打撃で逆方向への1本を放った。本田と対戦した8スイング目で深々と右中間スタンドへ運び「テーマを持ってやって、右中間に1本入れられた。いいイメージ、いい感触、いい感覚をつかんでいきたい」と手応えをつかんだ。

打ち損じも含めると、15スイングで右方向に6本飛ばした。「あっち(右)に打てさえすれば、率が上がる。フィールド全部を使うことができる」と広角を意識した。「もう少し進化するために、反対に打てた方がいい。左はいつでも打てるから」と言い切る。実際に昨季47本塁打のうち、右方向はわずか2本のプルヒッター。今後も左を軸にしながらも、可能性を広げる。

居残り特打では、3連発を含む20本の柵越えのうち、右に1本しっかりと運んだ。投手の生きた直球は今季初めてで「生きた球は1つ伸びてくる。ここからアジャストしていきたい」。立てる打席にすべて立つ予定で「出られる試合は、全部に出ないと不安でしょうがない」。本塁打王&MVPにも安心はない。1歩1歩着実にステップを踏んでいく。【栗田成芳】