中日の注目選手らに聞く企画「おっさん記者 伊東が聞く」第1回は、3年目の京田陽太内野手(24)です。17年の新人王も昨年は打撃不振でした。今季はドラフト1位根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が遊撃手志望で入団し、定位置争いが注目。春季キャンプの取り組みや根尾のこと、昨年10月に授かった子どものことなど、53歳の伊東記者がいろいろ聞いてみました。

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-3年目のシーズンへの意気込みは

1年目に賞をいただいて、2年目に苦しんで。3年目は本当に勝負の年。キャンプの目標の1番はケガをしないことだけど、これから実戦が増える中で出る課題を、1つずつ克服できるようにやっていきたいです。

-重点課題は

まずは打撃ですね。去年はチームに迷惑をかけた。僕が機能していれば、いい順位にいけた。どの打順を打たせてもらえるか分からないが、とにかくしっかり1打席1打席が勝負だと思っています。

-根尾の入団はやはり刺激になった

意識はしちゃいます。世間で根尾君との勝負が注目されている。僕にとってはいい機会。シーズンの最後に根尾の刺激があって良かった、となれば最高ですね。

-打撃こそ不調だったが、守備率は昨季の遊撃手両リーグトップの9割9分1厘

数字だけみれば、良かったけど。まだアウトにできた打球も、見えないところでのミスが多かった。数字に出ないミスがあった。自信になったけど、もっと攻めてプレーしていかないと。

-グラブ、バットなどの新兵器は導入する?

色を変えたくらい。去年は手袋とかガードとかは赤でしたが、1年目の青に戻します。

-10月には第1子となる長女を授かった

一番の励みです。名前は璃子(りこ)です。10月22日に生まれました。僕がフェニックス・リーグの休みで、前の日に帰れて立ち会えました。生まれてくるところも見て、抱っこをして…。

-僕も娘が生まれたときに感動したよ

そうでしょ。動いた動いたって。いまは3カ月たって、首も据わってきた。寝てるか、むにゃむにゃしていますね。キャンプの様子がCS(放送)で放映される。それを見て璃子が、くっと首を向けてくれるそうです。そんな動画を見せてもらってます。たまたまかもしれないけど、かわいいなって。野球をしているところを見せたい。沖縄にも来ますよ。

-今シーズンの目標は

打撃に関しては、ヒットを180本打てるように。そこを目指していけば、打率も出塁率も自然と上がる。四球を増やせと言われても。タイプじゃない。変えるつもりはないです。何を言われようが。

-初球から

全部が全部初球からじゃないけど。今年は自分を貫こうかな、と思っている。去年は打席の中で迷いまくった。これと決めたら、これを行くくらいでやりたい。

-走塁は

盗塁は40個近くいけるように。キャンプからスタート、スライディングを強化したい。

-ファンへの一言

背番号も(51から1に)変わったので、たくさんレプリカユニホームを買ってもらえるように。

-営業評価も昨年から始まった

。そうですね。ナゴヤドームに来てほしい。去年は松坂さんの効果で来場者は増えたけど。

-今年は自分の力で

そうですね。

<取材後記>

初めての子ども。長女璃子ちゃんの話をするときの京田は、うれしくてたまらない様子だった。僕も10数年前に娘が生まれたときのことを思い返した。たまたま出張先が妻の実家に近く、京田同様に出産に立ち会えた。生まれた直後の娘に指を差し出したら、握り返してくれた。それを昨日のように思い出せる。でも、小学生3年になったくらいからは、着替えも、お風呂も「完全防備」になった。これからさらに中日をけん引する中堅選手になるだろう京田。何年か後、彼を取材する機会があったときに「娘が冷たいんです…」となっていないことを祈ります。