百戦錬磨の右腕が、背筋を伸ばした。

日本ハムの開幕2戦目を託された金子弌大投手(35)が、覚悟を決めた。「2戦目ということもあるしオリックス戦ということもある。たぶん力も入るだろうし力むだろうし、緊張もするとは思うんですけど、任されたからにはしっかり期待に応えたい。役割を全うしたいという気持ちです」。米アリゾナキャンプ最終日に誓いを立て直し、帰国した。

予感はあった。開幕カードは古巣オリックス。「栗山監督って、意外とそういうところはあるので…」。ドラマチックな指揮官に、直感は働いていた。リリーフ投手が先発し、2、3番手がロングリリーフする「オープナー」での起用も示唆され、「開幕3連戦で3戦連続、金子弌大が先発とか…」という言葉も耳には届いていた。金子は「まさか本当に、こうなる(開幕カードのオリックス戦で投げる)とは思わなかった」と笑った。

栗山監督から大役を告げられた際は「意外と冷静」だった。「もちろん驚いたっていう気持ちはあるんですけど任せてもらえる喜びも、もちろんあった」。相手はプロ入りから14年間在籍したユニホーム。「正直、まだイメージは沸かない」と言うが「しっかり受け止めて、今後は応えるということを考えながら過ごしていきたい」と、勝負の日へと向かっていく。