阪神の遊撃争いが、激しさを増してきた。練習試合・楽天戦で、ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が5回の二塁守備から途中出場し、7回2死三塁の第2打席で楽天西口からチーム5点目となる適時打。紅白戦を含め全実戦3試合で安打を放った。

しかし、3番遊撃で先発出場の北條も3回に先制打。矢野監督も「どうする? どうしようか? ジョー(北條)のバッティングもすごい内容あったしね。木浪も追い込まれて、あそこでもう1点取るタイムリーというのはすごい価値がある。スタメン争いに十分食い込んでくるようなものをずっと見せてくれているから、悩むね」とうれしすぎる悲鳴だ。

7回に適時打をマークした木浪は「対外試合初戦だったので少し緊張した部分がありましたが、それなりに冷静になって最後、結果が出たので良かった」。北條も全実戦で安打を放ち、2回は三遊間の深い位置からの送球でアウトを取った。「しっかり自分のことをまずやって、相手より上にいけるようにと思います」と負けてはいない。

この日、木浪の小学生時代の恩師で安田ヤンヤン少年野球チームの澤田憲郎監督(62)が観戦。昨年末に木浪と青森市の小野寺晃彦市長を表敬訪問し「阪神には青森の高校(光星学院=当時)出身の北條選手もいるし、ショート争いをしてくれたらすてきなこと」と激励された。激励が現実になっている。【堀まどか】

▽阪神浜中打撃コーチ(近本、木浪ら新人が対外試合初戦で安打をマーク)「近本は対外試合初戦で、1打席目から結果を出して、本人も自信になったんじゃないかな。木浪も、ここでもう1点という場面で打った。紅白戦と対外試合とでは、同じヒット1本でも違うと思う。プロでやっていける、という自信になるのでは、と思います」