マルだ、マルだ、マルだ~! 広島からFA加入した巨人丸佳浩外野手(29)が16日、今季初の対外試合となる韓国・サムスンとの練習試合(沖縄セルラースタジアム那覇)で、決勝適時二塁打を含む3打数3安打3打点の猛打賞の活躍を見せた。「2番・中堅」で先発出場し、第3次原政権の超攻撃型打線をけん引した。クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27=パドレス)中島宏之内野手(36=オリックス)炭谷銀仁朗捕手(31=西武)の新加入組もそろって安打と打点をマークした。

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三重丸の満点スタートを切った。1回無死三塁。丸が初球の内寄りの直球に反応した。「チャンスだったので振れるボールを積極的にいこうと。気負うことなく素直に打てた」。相手の内野は守備位置が深めのシフトだった。「しっかりと状況を見ながらというのはあった。前に飛ばせばいいと気楽な気持ちでした」とファーストストライクを一振りで仕留め、あっさりと先制点をもたらした。「最強2番打者」が、巨人打線に加わった。

昨季セ・リーグ最高出塁率打者はだてじゃない。相手にアウトを与えず、いとも簡単にスコアボードに得点を刻んだ。2回無死一、三塁はカウント2-0から甘く入ったスライダーを右前適時打。3回2死一、二塁ではボール球を涼しい顔で2球見逃した後の外角スライダーに合わせて、左前適時打を放った。広島では主に3番を務めたが「特に2番どうこうはない。クリーンアップにいい形でつなげるように。でも他人任せというわけじゃない」。今まで通り、状況に応じてポイントゲッターとしての役割を果たしていく。

宮崎キャンプでは“和”を重視した。歓迎会を兼ねた決起集会では野手最年長の阿部、同学年の菅野、小林らと食事の席で積極的にコミュニケーションを図った。阿部も「話をしてて本当に野球が好きなんだなと思った。2軍生活も経験しているし、丸は『たたき上げの天才』だな」と評するほどだ。

実戦主体の沖縄2次キャンプでは、チームとしての準備が本格化する中、主力が並んだ今季の対外試合では攻撃的で切れ目ない打線の象徴として「2番」に入り、試合を“動”かした。初回に4得点、3回までに8得点の理想的な展開は、いずれも丸が中枢を担ったものだ。今季スローガンの「和と動」を丸々と体現している。【為田聡史】

◆丸の先発2番 公式戦で最後に出場したのは広島時代の15年8月20日中日戦(ナゴヤドーム)が最後。通算では49試合で190打数64安打、4本塁打、25打点、打率3割3分7厘と好成績を残している。