男の価値を上げた。DeNA中井大介内野手(29)が今季初の対外試合で「移籍1号」を放った。2回無死、第1打席のファーストスイングで仕留めた。ヤクルト高梨の144キロ直球をしばき上げ「フェアかファウルになるか、風にも助けられた」と左翼ポール際へとぶち込んだ。巨人時代には球団通算1万号を放つなど節目に強い男が、チームの今季初戦で持ち味を発揮。三塁と一塁守備も行い、万能さを示した。

成長を示す一打だった。巨人時代の09年9月11日の広島戦でプロ1号。その際に4番に座っていたのがラミレス監督だ。約10年が経過し、お互いの立場は変わったが、指揮官は「彼の価値は高い。使いたいという気持ちにさせてくれる」と絶賛。「パワーもあるし、若い頃より試合への理解度が高まっている」と成熟した姿に目を細めた。

この日は「5番三塁」での先発も、現状は内外野を守れる守備固めや代打などの起用が濃厚。「結果を出し続けるしか、居場所を作れない」と生き残りへ気迫をにじませる。17日は昨年戦力外になった巨人戦。「いい準備をして、いいアピールをしたい」と古巣撃ちで自らの価値をさらに高めていく。【島根純】