報道陣に呼び止められたヤクルト村上宗隆内野手(19)は、「僕、何かしましたっけ?」と驚いた表情で足を止めた。16日、侍ジャパンの稲葉監督が視察に訪れた練習試合のDeNA戦で、先制の適時二塁打を放った。アピールに成功したが、その後は3打数無安打に終わり、悔しさが上回っていた様子だった。適時打の質問を受けて「あ、あれか」と思い出した。

本人は気にとめずとも、大砲候補らしい豪快な一打だったのは間違いない。1回無死一、三塁、カウント2-2からDeNA先発阪口の144キロ直球を捉えた。放物線を描いた打球はスタンドにあとわずか届かなかったが、右翼フェンス直撃の2点適時打。「追い込まれてから、反応できたことはよかった」と振り返った。

しかし、第2打席以降は浜口、三上らと対戦し3打数無安打。試合後はユニホーム姿のまま特打に入って、汗を流した。「まだまだ足りないところばかり」と打撃フォームを改造しており、特にタイミングのとり方を試行錯誤している。稲葉監督からは打撃面を高く評価され「すごくうれしい」と感謝したが、冷静に言葉を続けた。「まずはシーズンでのレギュラーが目標なので、やるべきことをやっていきたい」。しっかり、着実に前進していく。【保坂恭子】