阪神北條が定位置奪取に1歩前進だ。5回表の守備から出場。圧巻の打撃を見せたのは先頭で迎えた6回だ。ハンコックの内角速球に両腕を畳みながらライナーで左翼線へ運ぶ。惜しくもファウルになった直後だ。今度は外角低め速球を逆らわずに中前へ。この一撃を激賞したのは、矢野監督だった。

「今日の安打の内容もかなりレベルが高い。横から見ていて、あの打ち方はなかなかできない。めちゃくちゃ、いいでしょ! ずっといい。すごく打ちそうだなという形で打っている」

鳥谷、木浪らと定位置を競うが、群を抜く充実ぶりだ。指揮官は慎重にレギュラーを見定めるが「1、2、6番とかにジョー(北條)がいるなら、すごく理想的。いまの打撃なら、かえすところにジョーがいたら、自分が捕手なら嫌という感じがある」と打順構想にも言及した。

実戦4試合で安打を刻み、合計12打数8安打。高打率6割6分7厘のロケットスタートを決めた。それでも北條は「いやらしい打撃を継続できるようにしたい。二遊間の選手が多い。一番いい成績を残せるよう頑張る」と気合を込め、打順にも「クリーンアップを打てるよう頑張ります」と発奮。昨季終盤、故障で手中から逃したポジションを確固たるものにする。