怪物の「侍力」が試される。ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019「日本-メキシコ」(3月9、10日=京セラドーム大阪)の日本代表メンバーが18日、沖縄で発表された。28人中11人が初選出となる中、日本ハムの清宮幸太郎内野手(19)が待望の侍ジャパンのフル代表入りを果たした。最大目標の20年東京五輪へ向け、稲葉篤紀監督(46)は清宮の国際対応力を見極める考えを示した。

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清宮の名前が初めて侍ジャパンのトップチームに記された。覚悟からか、日本ハムはキャンプ休日もオフを返上。室内練習場で約2時間半、ウエートトレやストレッチなどで鍛錬した。代表チームを通じ「選手としては、まだまだ未熟ではありますが、日本代表の一員として日の丸を背負う以上、チームのために全力でプレーします」と決意を言葉にした。

稲葉監督の期待値も高い。「19歳という若さで非常に打撃はたけている。1度、僕の目で国際舞台の中で見てみたいという思いがあった」。超高校級のころから将来の代表入りを嘱望されきた。高卒1年目で7本塁打と成長を重ねた2年目の春というタイミングで「昇格」を決断した。

一方でシビアな見極めが待つ。今季レギュラーを確保することも必須条件だが、大前提で国際試合での対応力を求められる。指揮官は「結果はそんなに意識はしてないが、内容は意識したい。外国人の動くボールに、どうアジャストしていけるのか。凡打後の切り替えはどうなのか。19歳と若いが、対応力はしっかり見ていきたい」と着眼する。

重圧の中で、自身のプレーに動揺していては戦えない。常に前を向き、日の丸に献身できるか。清宮が担う背番号5の先人も献身性が高かった。栗原は09年WBCで追加招集に応じ、松田は13年WBCで日本の元気印となった。清宮も「侍力」が問われる。昨年12月に答えていた。「誰しもが日本代表に入りたいし、東京五輪に出たいはず。僕も、もちろん目指しています。そのためにも、すべてにおいてレベルアップしないと」。清宮が登竜門に挑む。【広重竜太郎】