即戦力として期待されているソフトバンクのドラフト2位杉山一樹投手(21=三菱重工広島)が21日、練習中に右足首をひねり宮崎市内の病院へ直行した。検査の結果、骨には異常なく「右足関節前脛腓靱帯(じんたい)1度損傷」と診断された。今後は状態を見て決めるが、開幕1軍入りは厳しくなりそうだ。

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投手前のバントを処理し一塁送球までプレーを終えた杉山が突然歩けなくなった。最初は一塁手内川、その後は倉野投手コーチらに抱えられながらベンチ裏へ。その後、車いすに乗り無言で宮崎市内の病院へと向かった。

バントやヒットエンドランの練習を行う「チーム打撃」練習に登板。5人目の打者栗原のバントを処理しようとしたときに、右足をひねったとみられる。杉山が故障した時点で全体練習は終了。スタンドもざわついた。

宮崎市内の病院でエックス線、エコー検査を受けた結果、骨には異常はなく「右足関節前脛腓靱帯(じんたい)1度損傷」と診断された。今後については状態を見て決める。

A組には4人の新人投手が抜てきされている。杉山はドラフト1位甲斐野とともに常時150キロ超の剛球で中継ぎとして開幕1軍の有力候補。この「チーム打撃」で、杉山はプロ入り後最速の153キロをマーク。193センチの長身から角度ある直球と鋭く落ちる縦のスライダーを投げる姿にサファテ、森らも一目を置いているほどだ。

この日のマウンドではボークやぎこちないけん制をするなど、サインプレーを理解しようと必死だった。診断が出る前に倉野投手コーチは「離脱となればかなりの痛手」と話していた。サファテ、加治屋、石川、岩崎と中継ぎ陣には故障からの復帰を目指している投手が多く、杉山にかかる期待は大きい。工藤監督の「軽傷であることを祈ります」という言葉通り、早期復帰を首脳陣も願っている。【石橋隆雄】