盟友との直接対決が早くも実現する。西武内海哲也投手(36)が、佐賀でのオープン戦初戦となる広島戦(3月2日)で先発予定であることが22日、明らかになった。

広島には、巨人から人的補償で移籍した長野久義がいる。同じ運命をたどった2人が、開幕を前に相まみえる。でも、内海は「チョーさんは関係ないですよ。やってきたことを実戦で投げることが大事」と地に足をつけた。

個人戦よりも、赤ヘル軍団を強く意識する。「チョーさんがいますけど、それより去年だいぶやられている。そういう意味で緊張のマウンドになる。自分のピッチングをできるようにするだけです」。実際、巨人時代にはマツダで13連敗の屈辱を味わった。内海自身も昨季は2戦2敗の防御率10・38と打ち込まれ、14年8月15日に勝って以来5連敗中。求めるものは目に見える結果しかない。

108球投げたブルペンでは、かつてコイに奪われたカットボールを磨き上げた。肩が温まった39球目から続けて4球を投げ込んだ。「回転は?」とブルペン捕手に確認。右打者の内角を突く、チェンジアップと対で使える球種。2年前に広島打線に3回6失点と打ち込まれたことで封印していたボールだが、握りも変えて曲がりもバージョンアップ。「カットはぼちぼちですね。いい感じで投げられた」と手応えはある。

ローテ入りに向け、大事な初陣。「競争なんで。打たれても、バランスがよかったとか言っても仕方ない。結果を求めて投げたい」と気合を入れた。西武でのデビュー戦がチームのオープン戦開幕戦。相手は盟友がいる強敵カープ。これ以上ない舞台が整った。【栗田成芳】