ソフトバンクのドラフト1位甲斐野央投手(22=東洋大)が27日、昨年リーグ覇者の西武相手に衝撃の対外試合デビューを飾った。西武との練習試合(宮崎アイビー)に7番手として9回に登板。直球は最速155キロを計測。球威ある球でバットをへし折った。1回を1奪三振無安打無失点の快投。

ソフトバンク甲斐野は同じ速球派右腕から金言をもらっていた。キャンプ中に千賀に弟子入り。2年連続の開幕投手に気後れすることなく質問をぶつけ、投球の秘訣(ひけつ)を引き出した。「千賀さんは投げる方向にラインを作って投げている」。エースは内角、外角とコースごとに自分の投球フォームと投球がミットに吸い込まれるまでの軌道を頭に描き、投げている。

甲斐野もさっそく試し、その効果を実感した。「ボールがばらつかず、ストライクゾーン内で勝負できるようになった」。アマ時代に最速159キロを出した甲斐野の直球はシュート回転やスライダー回転をするクセ球だ。この日も木村のバットを折った直球は外角を狙った球が内角へシュート回転した。「僕の直球は動く。腕を振って投げた、いい直球だった」。千賀の教えで安定した投球フォームが、ストライクゾーン内で勝負できるクセ球へと進化させた。貪欲に先輩たちの技を吸収すれば、活躍は時間の問題だ。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】