ソフトバンク2年目左腕大竹耕太郎投手(23)が、ロッテとの練習試合に先発し、3回2安打無失点で開幕ローテーション入りへ大きくアピールした。ベストメンバーの打線に対し、走者を許しながらも耐えて抑えた。「投げていて気持ちよく、テンポよく投げられたことが大きい。自分は150キロを投げられる投手ではないので」と130キロ台の直球を低めに集めた。

1年目の昨季、育成から支配下となり3勝を挙げた。だが、このキャンプ序盤は自分を見失い、もがき苦しんだ。「自主トレから軸足の左足の膝が曲がらないようにということをはき違えていた」。軸足の欠点は修正したが、矯正過程で体重移動に苦労。右足が真っすぐ出て、持ち味だった打者へ背中を見せるようなインステップも消えた。体が開き打者から見やすい130キロ台左腕に陥っていた。

首脳陣からの助言もあり、正面に立つ人間に右肩から体当たりするイメージで体重移動を修正し、インステップに戻した。「いい球を投げるのが仕事なので。今日はいい球がいっていた。体重が乗って躍動感も出た。フォームがよくなったのは(2月23日からの)最終クールくらい」。見にくいフォームが復活し、腕もしっかり振れた。右打者の岡ら数人には内角へ昨季より球速を速めたスライダーを投げ、投球の幅も広めようとしている。

工藤監督は「よくなってきている。ああいうタイミングを外す投球をしてくれたら」と喜んだ。この日、開幕ローテを争っている田中が右肩の張りのため離脱した。「先発ローテーションに入りたいと強く思っている」と大竹は口にする。キャンプ最終日に自信と投げ方を取り戻し、オープン戦に突入する。【石橋隆雄】