東日本大震災から8年がたった11日、宮城県出身の阪神馬場皐輔投手が思いを語った。

「何のために野球をやっているのか、ということです。プロ野球選手は輝いている、と思われるプレーを見せたい。そう思って毎日練習、試合をしています」

8年前に塩釜市内の自宅周辺に津波が押し寄せ、馬場は卒業したばかりの塩釜三中に家族と避難。小高い場所にあった自宅は被災を免れたが、電気は2週間、水道、ガスは1カ月不通となった。仙台育英(宮城)の入学式は5月に延期され、入学を待ちながら馬場はヘドロの撤去、老人世帯への生活水の運搬などボランティアに従事した。震災前まで当たり前だったことは、日常ではなくなっていた。

不安に震えていた中学生は、プロ野球選手となり、開幕ローテーション入りを目指す立場となった。見守る人々をがっかりさせるようなことは、できない。使命感とともにプロ2年目に臨む。