中日ドラフト1位の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が13日、1軍デビューした。ナゴヤドームでの阪神戦に与田監督がサプライズ招集。7回から遊撃の守備に就き、8回の初打席は豪快な空振り三振を喫した。今後は2軍戦にも出場し、結果次第で、19日にも再び1軍に合流する。右ふくらはぎの肉離れで出遅れたが、逆転開幕1軍が見えてきた。

7回表、根尾の途中出場を告げるアナウンスに、ナゴヤドームがヒートアップした。2万人を超える歓声と拍手に包まれ、背番号7はベンチを飛び出した。二刀流を捨て「ショート1本」を宣言し、竜のユニホームを着たルーキーが、初めて本拠地の遊撃に立った。

打席は8回裏、先頭で回ってきた。大声援だけでなく、オリジナルの応援歌も流れた。相手の石崎は侍ジャパンで中継ぎを務めた右腕だ。初球の151キロ、2球目の152キロは見逃しストライク。ファウルを挟み、4球目の外角132キロスライダーに空を切った。

9回には初の守備機会も訪れた。先頭梅野のゴロは1度はファンブルしたが、落ち着いて処理。木浪のゴロは軽快にさばいた。約1時間の「根尾劇場」。スタンドの視線は、ルーキーにくぎ付けになった。

根尾は「しっかり経験できた。素晴らしい経験だった」と振り返った。前日2軍教育リーグのソフトバンク戦でプロ初安打を放ち、この日1軍にサプライズ招集された。与田監督は「本拠地の経験がない。1軍のレベルを体感させるのが目的」と説明した。試合前の円陣では声出し役にも指名され「攻めて攻めて、やっていきましょう!」と初々しく声を張り上げた。

もちろん反省も忘れない。「(打席のミスは)ストライクのボールを見逃したのが一番大きかった。もっと振っていかないと。(守備は)準備不足でファンブルもあったけど、その後の処理もできた。絶対アウトにする気持ちで守備に就いている」。全てを糧に。肌で感じた収穫は大きかった。

14日の西武戦(ナゴヤドーム)はスタメンの可能性もある。15日からはウエスタン・リーグ開幕3連戦のオリックス戦(ナゴヤ球場)に出場予定。与田監督は「今後は様子を見ながら1軍の試合を経験させる」とし、この4試合の結果を1軍再合流の判断材料にする考えを示した。開幕まで2週間あまり。故障で出遅れたが、“根尾開幕1軍”の可能性は十分ある。【伊東大介】

<根尾故障後の経過>

◆1月23日 合同自主トレで右ふくらはぎの軽い肉離れ

◆同24日 キャンプの1軍から2軍読谷組への移動が発表

◆2月25日 リハビリメニューを終え、2軍通常練習に合流

◆同28日 2軍キャンプ打ち上げ「50点です」

◆3月9日 教育リーグ阪神戦(鳴尾浜)に6番指名打者で先発実戦初出場。メッセンジャー相手に2打席、1打数1三振1四球

◆同12日 地元ナゴヤ球場で初実戦。6番遊撃でスタメン。2番手中田から実戦7打席目で二塁への内野安打。プロ入り“初安打”を決めた

◆同13日 1軍に初招集され、阪神とのオープン戦に7回守備から2番遊撃で出場