巨人先発の菅野智之投手(29)が6回2安打無四球無失点と好投した。ソフトバンク千賀と初の投げ合いで貫禄の投球を見せた。

初回から気持ちよく腕を振った。17年WBC準決勝で、ともに米国に立ち向かった千賀が157キロを計測。負けじと、菅野も初回の先頭上林を追い込み、この日最速の150キロの速球で空振り三振を奪った。両コーナーのベース上いっぱいに速球を並べ、左打者の内角、右打者の外角へスライダーを曲げきった。5回まで50球。1人の走者も与えなかった。

6回無死二、三塁とこの日最大のピンチでは相棒のサインに初めて首を振った。ソフトバンク甲斐をフルカウントとし、迎えた小林からの64回目のサイン。首を4度横に振った。マウンドを外し、もう1度振った。6度目で合致。外角ボールゾーンへ鋭く曲がる、136キロのスライダーで空振り三振を奪った。後続の上林、今宮も打ち取り、難を逃れた。ベンチへの帰り際に小林と手のひらを合わせ、納得の笑みを浮かべてマウンドを譲った。

前回登板の8日オリックス戦では4回9安打6失点。オープン戦ワーストと乱れた一戦から中5日で立て直し「いい準備ができました。両サイドのストレート、前回はスライダーの逆球が多かったので、今回はある程度思ったところに投げられたので、満足しています」と振り返った。千賀の投球に「初回からすごいボールを投げていたので、僕も負けられないなと思いました。開幕までにいい体験、勝負がができてよかったです」と刺激を受けた。