古巣斬りで万全開幕だ! 阪神西勇輝投手(28)がオープン戦最終登板となったオリックス戦(京セラドーム大阪)で6回5安打無失点と好投した。移籍後初打席となった2回には中前タイムリーを放ち、プロ初打点を記録。6回には犠打をマークするなど投打で活躍。オリックスファンからも温かい拍手で送り出され、虎1年目のシーズンに向かう。

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西の持ち味が凝縮されたマウンドだった。本塁ベースの隅を通過したボールが捕手のミットに次々と収まる。ヒットを浴びても、四球を出しても本塁だけは許さない。最終イニングとなった6回は2死からルーキー頓宮に3球連続の外角直球で二ゴロに仕留めた。89球を投げて6回5安打無失点。「インコースも多く投げられたし、変化球もある程度いけました」。開幕までのラスト登板で万全の状態に仕上げた。

バットでも魅了した。2回1死満塁の場面で打席に立つと、2球目の147キロを捉えて中前へ。公式戦、オープン戦を通じて“プロ初打点”をマークした。6回1死一塁からは初球を一塁方向へしっかりと転がし、送りバントも成功。バットを握っても結果を出す右腕に矢野監督も「バントもできるし、タイムリーも打ったし、センスというのはしっかり見えた」と絶賛だ。

マウンドで笑顔になった。昨季までバッテリーを組んだオリックス若月が2回の打席に向かった瞬間、場内に光永亮太の「Always」が流れた。オリックス時代に西が登場曲として使用していた。粋な演出に「うれしかった」と笑った。マウンドに上がる時には両軍のファンから万雷の拍手を受けた。古巣のファンからも背中を押された。

新天地でも調整に寸分の狂いもない。オープン戦は4試合に登板し、計15回を投げて防御率1・80。西は「笑顔も増えて全力でプレーする姿を見せられて良かった。チームがどんな時でも1つになって、前を向いて優勝を目指していきたい」と力強く語った。開幕3戦目となる31日ヤクルト戦へ。隙は感じられない。【桝井聡】