超満員のファンに見せつけた。ロッテのドラフト1位藤原恭大外野手(18)が7回2死で迎えた第4打席。追い込まれてからの3球目の123キロを三遊間深くへ打ち返した。

50メートル5秒7の快足をとばし悠々セーフ。18歳のプロ初安打に球場が湧いた。

「抜けてくれというかヒットになればいいと思って走った。少し短く持って、逆方向を意識して、変化球で三振を取られないように意識しました」。初安打の記念球は大阪から応援に駆けつけた両親へ渡すと言い、最高のプレゼントとなった。

平成最後の歴史に名を刻んだ。開幕戦に「1番中堅」で先発出場。球団高卒新人では55年榎本喜八、65年山崎裕之に続き3人目の開幕スタメンに名を連ねた。12球団で見ても昨季、米・大リーグで新人王を獲得した大谷翔平(日本ハム)の13年以来14人目の快挙だった。「うれしいことですし、もっともっと力をつけてレギュラーを取れるくらいの選手に成長したい」。

大阪桐蔭1年の16年夏も公式戦初戦で安打を放った。本番に強く、球場の雰囲気を味方に変える力が藤原にはある。「開幕戦以上の緊張感はなかなかないと思うのでこの経験を生かしたい。しっかり1試合1試合成長していきたい」。歴史を変えるスタートラインに立った。【久永壮真】