巨人が誇る強力コンビ「マルオカ」が初のアベック弾を放ち、平成最後となる東京ドームの阪神戦勝ち越しを決めた。

3回2死一、三塁から、3番丸佳浩外野手(29)が2戦連発となる先制の2号3ラン。4番岡本和真内野手(22)が初球を狙い打ちし、バックスクリーン右へ今季1号ソロを放った。4連勝で貯金を3とし、巻き返しのシーズンを力強く滑りだした。

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2日連続で、始まりは丸の一打だった。3回2死一、三塁、見逃せばボール球の低めを強振。大歓声に乗って右中間席で弾んだ。「ボールでした? 追い込まれていたので、食らいついていこうと。いい粘りを見せられた」。ベンチでは阿部が発案した頭の上で両手で丸を作る「丸ポーズ」で出迎える選手が一気に増えた。「まだ少し照れくさいです」と笑った。

東京ドームが丸の余韻に浸る中、4番岡本は初球に集中していた。坂本勇から「どさくさに紛れて打て」と言われ「真っすぐ1本」に絞ってフルスイング。バックスクリーン右へ今季1号ソロを運んだ。「(丸の1発で)きれいに掃除してもらったので気楽に入れた」。新3、4番「マルオカ」初のアベック弾を、息の合った連弾で飾った。

7回も名コンビで畳み掛けた。2死から吉川尚、坂本勇が連続四球。丸は打席に入る直前、岡本に「つなぐから頼むな」と声を掛け、四球でチャンスを広げた。「回ってくると思った」と準備万端の岡本が、左翼線への2点適時二塁打で応えた。「和真が打ったのがうれしかった」と丸が自分のことのように喜ぶ姿が2人の関係を物語った。

開幕前に行われた「燦燦会」も2人で沸かせた。丸が「激励会の時も言いましたが(目標は)3割5分、55本でしたっけ?」と言えば、岡本は「60本です」と絶妙の切り返し。丸が「『60本、170打点するんや』と。『そのためにお前らが出塁しないと、170打点いかんから。しゃんとせい』と言われてる」と締め、会場を爆笑に包んだ。

王、長嶋の「ON」を筆頭とする名門の3、4番コンビは、限られた一流打者に与えられる重みある勲章。丸は代弁した。「僕1人で決めようとは思ってないです。(岡本は)勝負強いバッター。打線なので、お互いに助け合いながら」。新コンビで新たな時代を築く。【久保賢吾】