楽天先発の美馬学投手(32)は8回5安打無失点と好投したが、今季2勝目はならなかった。

最後のイニングとなった8回2死二塁。ソフトバンク牧原を追い込み、カウント2-2から外角低めに速球をズバッと決めたが、判定はボール。バッテリーを組む足立祐一捕手(29)が、思わず感情をあらわにした。女房役の熱い姿に美馬は「足立が気持ちを込めてくれた。それに応えたかった」。次は同じコースからフォークを落とし、空振り三振に仕留めた。

光山バッテリー兼守備作戦コーチとともにベンチを飛び出し、足立をなだめた平石監督も「どっちかというと、おとなしいタイプ。(ボールと判定された)あの1球は、確信があったんだと思う。気持ちは分からなくはない。1球にかける姿は良かった。(最後は)美馬も足立も、冷静に最高のボールを投げてくれたと思う」と言葉を選びながら、胸中を思いやった。

チームは今季最少2安打で、本拠地では開幕から5戦目で初黒星。先発としては今季チーム最長の8イニングを投げ「自分の仕事はできた」とうなずく美馬の表情も硬いままだった。