西武山川穂高内野手(28)が、納得のアーチを描いた。5回に左翼席へ6号3ラン。オリックスを突き放し、早くもパ・リーグ全チームに1発をお見舞いした。球団では04年和田以来、15年ぶりとなる開幕5カード連続弾。前日に死球を受けた源田を欠き打順組み替えを強いられた中で、頼れる4番が存在感を示し、チームは勝率を5割に戻した。

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ド派手などすこいポーズが、会心の一発を物語っていた。5回、山川は新3番外崎の勝ち越し適時打に肩の荷を降ろし、勢いを借りた。「トノがなんとか逆転してくれた。そういう意味で楽ではありました」。なおも無死一、二塁のチャンス。カウント1-2から高めの直球を振り切り、左翼スタンドへ6号3ランを運んだ。ベンチ横では生還した外崎、秋山と一緒に3人そろってどすこいポーズ。横綱が花を添えられた。

今季6本目にして納得の一撃は、自ら助言を求めた結果だった。前日の試合前練習、辻監督に打撃について聞いた。「いいときはもっとピッチャーに向かっていた。もっと自然体だったと思うよ」。指揮官の言葉に山川は「自分の考えと見ている側の考えが一致した」。

これまでは、内角のボール球に手を出して体を開かされ、外を遠く感じていた。この日の5回の打席は、2球目の内角ボール球をしっかりと見逃し、3、4球目の外角変化球をファウル。5球目の142キロをしっかり捉えた。「今まではラッキーな当たりが多かった。今日みたいな打席を増やしたい」。スタンドに放り込むまでの過程での手応えが大きかった。

開幕から5カード連続アーチは、球団では04年和田以来15年ぶりの記録。早くもパ・リーグ全チームから1発を放ったが「ペースはいいけど、納得したバッティングが昨日と今日だけ。まだ14試合。あと129試合もありますから」。一昨年からフルイニング出場を続けた源田という柱を欠いた一戦。打順は2番秋山、3番外崎と大幅に入れ替わった中できっかけをつかんだ。「後ろでもっとたくさんの人がどすこいをやってもらえるようにしていきたい」。量産態勢に入る。【栗田成芳】