平成10年生まれの3年目右腕、ロッテ種市篤暉投手(20)が、チーム平成最後の試合でプロ初勝利を挙げた。今季はこれまで全て中継ぎ。勝ちパターンを任されていたが、今週から試合数が増えることに伴い、先発のチャンスをつかんだ。5回を6安打2失点にまとめ、念願の白星。師と仰ぐソフトバンク千賀の背中を追って、令和の球界を代表する投手を目指す。

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9回2死一塁、1発が出れば同点の場面。種市は何度もまばたきをしながら、ベンチの最前列で声援を送った。守護神益田が空振り三振を奪うと喜びを爆発させた。「鳥肌が立ちました。よかったです。ほっとしました。9回は試合(で投げている時)より緊張しました」と本音が漏れた。

意地でも足を離さなかった。5回1死一、三塁。楽天の4番島内の一ゴロで一塁ベースカバーに走った。一-遊とつなぎ2死。遊撃手からの転送を倒れながら捕った。きわどいタイミングも判定はセーフ。併殺崩れの間に追加点を与えたかに思われたが、リクエストで判定が覆り、併殺が完成した。「自分の中ではセーフかなと思ってスクリーンを見たら『アウトだな』と。リクエストしてもらえてよかったです」。勝ち投手の権利を持って、5回88球、6安打2失点でバトンをつないだ。

オフには「千賀さんのようになりたい」とソフトバンク千賀も参加する鴻江寿治氏が行う自主トレ合宿の門をたたいた。「体の使い方を教えてもらいたいなと思っていた。自分でも1年間投げられるフォームだと思っていなかったので」と動作解析を元にフォームの修正に臨んだ。千賀とは同じそり腰という共通点もあり「自主トレで言われたことを意識して一から見直してます。難しいですが、いろいろと勉強中です」。苦戦しながらも、憧れる男のフォーム再現に励んだ。

師匠と同じ道を歩んでいる。プロ入り後まずは先発を務め、その後中継ぎ。そして再び先発マウンドへ。速球で押すスタイルも同じで、初回1死では試合前に「打ちとっているイメージがない」と話していた楽天田中に対し、全て150キロ超えの直球で勝負。最後はこの日最速の151キロで空を切らせ、3球三振に仕留めた。

青森出身の20歳は「平成で勝てて良かった」とうなずき、力強く誓った。「球界を代表する選手になりたい」。平成で挙げた1勝を土台とし、令和で白星を積み重ねる。【久永壮真】

◆種市篤暉(たねいち・あつき)1998年(平10)9月7日生まれ。青森県三沢市出身。八戸工大一から16年ドラフト6位でロッテ入団。18年に1軍デビューし、全て先発で7試合0勝4敗。オフはソフトバンク千賀に弟子入りし「エグイ! 貫通力がすごい」と直球を称賛された。183センチ83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸680万円。