阪神福留孝介外野手(42)が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。DeNA戦の9回2死一塁。5月5日、スコア5-5、5番打者の第5打席で、リーグ通算5万号という「5」ずくめ。チームを同一カード3連勝に導き、今季最多タイの貯金2とした。頼れるベテランがまた新たに、球史に名を刻んだ。

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さすがだ…。思わず声が出た。サヨナラ本塁打もすごい! セ・リーグ5万号もすごい! ただ、自分のバットで試合を終わらせたのがもっとすごい!

2日前に福留本人とこんな話をした。「いけるよ。絶対にいける。お客さんよりも早く出るよ」。冗談っぽく話したのは、この日の移動について。チームはDeNA戦(甲子園)を終え、6日からのヤクルト3連戦(神宮)に備えて移動。深夜の東京に新幹線で滑り込む予定だった。

だが、福留らベテラン陣は身体への負担を考慮して大阪を午後7時台に出発する飛行機を予約。黄金週間の混雑もあって他の便に空席はなく、運命はこの日の試合時間に託された。9回の土壇場に飛び出した午後6時3分の劇弾。間に合ったのか、間に合わなかったのか…。それは分からないが、やっぱりこの男はすごい。【阪神担当=桝井聡】