宿題をきっちり仕上げた。巨人ドラフト1位左腕の高橋優貴投手(22)が、初回からギアをマックスに入れた。

先頭のDeNA大和、宮崎を遊ゴロ。昨季セ・リーグ本塁打王のソトにはカウント3-1から、やや内角高めの145キロ直球で捕邪飛にねじ伏せた。「前回は立ち上がりに球が抜けたので(今回は)真っすぐが修正できた」とプロ5試合目で初めての初回3者凡退。7回までソロ2本の5安打2失点で投げきり、3勝目をつかんだ。

正解へのヒントを逃さない。前回登板の4月30日中日戦では7回3失点で初黒星。2回に3ランを浴びるなど、3回までに3安打3四球と立ち上がりに難を残した。試合後、登板全試合でマスクをかぶる炭谷から「球数がかさんでも球威が落ちるタイプじゃない。立ち上がりから全力でいけるように」と“宿題”を授かると、その日の帰寮後のケアから調整スケジュールを見直した。この日は試合前のウオーミングアップの量を増やし、序盤から飛ばせる態勢を整えて結果につなげた。

小学時代は宿題を終わらせてから野球を楽しんだという高橋の姿勢は、今でも変わらない。初勝利を挙げたデビュー戦翌日は、午前中から試合で2度失敗したバントに目を向けた。寮でも黙々とマシンで復習した。一夜漬けではなく、コツコツと積み上げて成長する。宮本投手総合コーチを「吸収力がすごい。うちの『マナブくん』だね」と驚かせた。

次への宿題も自らに課した。7回にソロを浴びた直後の四球を悔やみ「点差が縮まってきた状況で、ピンチを作ると流れがいってしまう。もう1回見直して、自分ができることを必死にやるだけです」。予習、復習、答え合わせを繰り返し、すくすくと育っていく。【桑原幹久】