矢野阪神が好調5投手をそろえた「奪首ローテ」を編成した。10日からの中日3連戦(甲子園)は西勇輝投手、メッセンジャー投手、才木浩人投手が先発予定。

14日からの巨人2連戦(東京ドーム)は青柳と岩田がいく。好調な先発陣の中でも、より勝つ確率が高いと判断した5枚を並べる。ここ15試合は11勝3敗1分けの快進撃。3ゲーム差で追う首位巨人に食らいつき、一気にとらえる作戦だ。

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前夜のヤクルト戦は延長12回の激闘の末引き分けたが、負けなかった。直近の15試合は11勝3敗1分けの快進撃。12連戦明けとなる10日からの中日3連戦にもその勢いを持ち込みたい。そこでチームは「奪首ローテ」を編成。好調投手陣の中でもより好調な5枚をそろえ、3ゲーム差で追う首位巨人に迫る作戦だ。

中日3連戦は西、メッセンジャー、才木のトリオで竜退治に挑む。カード頭を任される西はこの日甲子園で投手練習に参加。先発リーダーの自覚はたっぷりだ。

西 長い(12)連戦は終わったけど、これからも集中しながらやっていきたい。(先発も救援陣も)投手全体が頑張っている。青柳も中5日で完封したり、秋山も手術明けで勝っている。(先発も)いいリレーができていると思う。

新加入のガルシア、藤浪や小野らが不振や故障で2軍調整を余儀なくされ、一時は先発ローテにも暗雲が漂った。だが青柳や才木の台頭、さらにはベテラン岩田や右膝手術明けの秋山の復活で豊富なカードがそろった。矢野監督も「なかなか全員に投げさせられない」とうれしい悲鳴で、秋山や高橋遥らも他球団がうらやむ先発要員だ。だが、今回は5試合のため、より勝つ確率が高いと踏んだ5人衆を送り込む。

相手は5カード連続負け越し中の中日だが、手綱は緩めない。14日からは今季6戦全敗の巨人2連戦が待ち受ける。中日をたたいて勢いに乗り、安定感ある青柳と岩田で巨人に借りを返すローテ編成だ。これ以上巨人には負けられない。15日には、今季観戦5戦5勝の藤原オーナーが訪れる予定だ。「福の神」の力も借りて先発予定の菅野を打ち砕き、首位を奪っていれば最高のストーリーだ。

12回引き分けの一夜明け、矢野監督は「リスタートしながら競争して、ファンを喜ばせられるように頑張っていきたい」と新たなスタートを誓った。まずは10日からの巨人とヤクルトの首位攻防3連戦を横目で見つつ、竜倒に臨む。白星を重ねて、いざ東上だ。【真柴健】