あれれ、矢野阪神は小休止…。阪神は中日先発柳に大苦戦し、8回までに12三振を奪われて無得点に終わった。9回に1点を返し、完封負けを免れたが、この日は精彩を欠いて計13三振。

甲子園は「TORACO DAY」を催し、多くの女性ファンが駆けつけていたが、カッコいいところを見せられず。引き分けを挟んだ連勝は2で止まり、3位に後退した。

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五月晴れの甲子園はため息ばかりに包まれた。1回に先発メッセンジャーが3失点。「これくらいはハンディキャップや」と思えるほどチームは好調だが、反撃の期待は肩透かしに終わってしまった。敗戦後、矢野監督も厳しい顔で言った。

「ちょっと点が最後まで入らない状況だったので、残念な試合になりました。(柳は)簡単ではないと思いましたけど、何とかできそうなチャンスもあった。1本出ていれば、本当に流れは全然、変わった。そこで打てなかったのが敗因」

中日の先発柳を打ちあぐねた。重い球質の速球はコーナーに決まり、チェンジアップを駆使した緩急に戸惑った。4回はクリーンアップの糸井、大山、福留が3者連続空振り三振。3点を追う5回は2死後、代打高山の右翼線二塁打で二、三塁の見せ場を作るが、チャンスで勝負強さを見せる近本が、内角速球に押されて遊直に倒れてしまった。

矢野監督 チェンジアップもいいところに、左打者は投げられた。抜けてもタイミングが取れない。低めに来てもなかなかバットが止まらない感じがあった。

浜中打撃コーチ 真っすぐのキレがよかった。追い込まれたらしんどい投手。もう少し早めに積極的にいこうと言えばよかった。

5回裏の攻撃前には円陣を組んだ。打つべき手を打っても、バットはくるくる回る。後手にも回り、柳にKKKKK…。6者連続三振など12三振の惨状だ。柳に今季3戦2敗。この日は合計13三振で、9イニングでは今季最多のチーム三振数に膨れ上がってしまった。

前日10日の同カードを逆転勝ちし、今季最多の貯金3に増やしていた。だが、この日は一転して打線が沈黙。9回に1点かえすのが精いっぱいだった。甲子園での勝敗も8勝9敗と再び黒星が先行した。「TORACO DAY」で多くの女性が熱視線を寄せたが、まぶしい姿を見せられなかった。それでも、矢野監督は「打者が奮起して、いいゲームにしたい」と前を向いた。12日の中日3戦目でカード勝ち越しを狙う。【酒井俊作】

▼阪神の1試合13三振は、9回までの数字としては今季ワーストを更新。これまでの最多は12三振で、4月24日DeNA戦、5月8日ヤクルト戦(延長10~12回に6三振を加え、総計18三振)と2度あった。9回までに13三振以上は、17年8月27日巨人戦14三振以来2シーズンぶり。