西武山川穂高内野手が、沖縄出身選手としては初となる凱旋アーチを放った。

1点リードで迎えた7回1死一、二塁。3打席快音なく迎えた第4打席。カウント2-0からソフトバンク4番手松田遼馬の投じた外角高めのスライダーを左越えにたたき込む節目の20号3ランだ。20号は両リーグ通じて一番乗りで、昨年に続く最速到達となった。

左中間最深部の防護ネットに突き刺した特大弾を見るまでもなかった。打った瞬間、山川の手に感触が伝わった。打球が高々と左翼方向へ舞い上がるとバットを持った右手を高々と突き上げた。

ベースラン一周した主砲はホームベースを踏んだ瞬間、口元から白い歯をのぞかせた。一塁ベンチでチームメイトとのハイタッチを終えると指笛と大歓声でわく地元のファンと一緒に“どすこいパフォーマンス”で盛り上げた。

山川は「沖縄の皆さんの前でホームランを見せられるよう頑張ります」と話していたが、有言実行の予告ホームランで沖縄のファンを喜ばせ「打ったのはスライダーです。沖縄のみなさんのために打ちました!鳥肌全開です!!」と興奮冷めやらぬ様子だった。

試合は最後までハラハラドキドキの展開だったが、山川の本塁打が効いて1点差で勝った。お立ち台に上がった山川は「野球人生で一番うれしい本塁打だった」と声をはずませていた。

◆沖縄出身選手初 沖縄の球場では試合前まで通算22本の本塁打が出ていたが、沖縄出身選手の1発はこれまで1本もなかった。