オリックスが今季初の逆転サヨナラ勝ちで、ワースト借金9を阻止した。2点を追う9回2死満塁で、代打後藤が中前に同点の2点打。さらに2死満塁で、小田がサヨナラ打を放ち、試合を決めた。

外野の定位置獲得を期待されながら、チャンスをつかみきれなかった2人。後藤は若手の台頭にあってもがき苦しみながら、懸命に立ち位置を探る。「なんとかぼくも同じ舞台に立ちたい、その一心でした」と執念の一打だった。

一方の小田は今季は開幕からレギュラー起用されながら、左大腿(だいたい)部裏の筋損傷で4月初旬に出場選手登録を抹消。プロ入りからチャンスをつかむたび、故障に泣いた。「気持ちが先走って、体以上のプレーをしてしまっていた」と振り返るが、イケメンの裏にある熱さ、闘志が小田の持ち味だ。1軍復帰3試合目のこの日、チームを救い、監督から「頼りになるね」とねぎらわれた。

サヨナラの瞬間、小田はウオーターシャワーの中で後藤をつかまえた。「プロ入り以来、ずっと切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲ですから」と2人で固く抱き合った。【堀まどか】