逆転地区優勝へ負けられない新潟は、茨城を6-1で下した。先発の中西啓太投手(27)が8回を4安打10奪三振で1失点と好投。打線も初回無死一、三塁、楠本歩遊撃手(25)の左犠飛で先制すると、その後も得点を重ねた。東地区・首位群馬も勝利し、ゲーム差1をキープした。前期、新潟の残り試合は2。次戦は15日、ビジターで首位との直接対決(群馬・高崎城南)を迎える。

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8日の福島戦。同率首位の群馬にプレッシャーをかけたいところだったが投手陣が崩れ、6-8で敗れた。チームは引き分けを挟んで4連敗となり、順位も2位に後退。嫌な空気が漂う中で、この日の一戦を迎えていた。

15年前期以来の優勝に向け、中西は負けられない先発マウンドに上がった。だが2回を終え、被安打4で1失点と立ち上がりに苦戦した。前回先発し、敗戦投手となった2日群馬戦でも序盤に失点を許し、相手にペースを握られた。

「何やっているんだ、という思いで1週間を過ごした」と中西。前回の反省を生かし、ピッチングの修正。乱調の原因は、投球フォームにあった。通常、ランナーのいない状態ではセットポジションから足を高く上げる。だが、この日は「しっくりきていなかった」と打ち明けた。

2回途中からは、クイックモーションでの投球に変更した。「これならいける」とクイック続行を決断していた。この修正が功を奏し、持ち味の低めを突いた丁寧なピッチングを展開する。3回以降、打者18人を「パーフェクト」に抑える快投を披露し、勝利を呼び込んだ。

これでチーム最多の7勝目。試合後には「絶対に勝たなきゃいけない試合だったのでよかった」と安堵(あんど)の表情を見せつつ、「本来なら試合前に修正しなきゃいけない」と課題を口にした。

次戦15日は、首位群馬との直接対決。群馬との今季対戦成績は2勝3敗、さらに群馬は現在9連勝中と勢いに乗っている。それでも勝たなければ優勝はない。「しっかりと残りを勝つだけ」と清水章夫監督(43)。チームは士気を高め、大一番に臨む。【山岸章利】