日本ハムのチーム力が試される時が来た。エース上沢直之投手(25)が19日、都内の病院で左膝蓋骨骨折と診断され、手術を受けた。全治5カ月の見通しで、今季中の復帰は絶望的。

球団を通じて「大事な時期にチームを離れることになり、本当に残念です」とコメントした。18日DeNA戦(横浜)で打球が直撃した左膝の皿が割れる重傷だった。栗山監督は「チームにとって痛いとか、痛くないとかいう次元の問題ではない」と現実を受け止めた。開幕投手も務めた上沢の代わりは、誰もできない。投手陣の総力を結集して、大きな穴を埋めるしかない。

チームは今季、投手起用の中でリスクマネジメントをしてきた。先発は上沢と有原の2本柱が軸。器用な金子と加藤は、中継ぎとスターターを兼務して、チームに足りない部分を補ってきた。右肩故障から復活途上の杉浦は十分な登板間隔を保ちながら谷間を埋め、新人の吉田輝や生田目も先発デビューさせて手駒を増やした。開幕直後に多用した「ショート・スターター」制では、短いイニングで結果を残した上原は先発として、堀やロドリゲスはリリーバーとして台頭。ポリバレントな投手が増え、やりくりが出来る陣容は整っているはずだ。

栗山監督は交流戦明けの投手起用法について「中継ぎに負担がかからないようにしないといけないけど、やり方は、いっぱいイメージがある」と話す。不測の事態に備えて、布石は打ってきた。エースの抜けた穴を埋めるのは簡単ではないが、こんな窮地こそ、知将の腕の見せどころだ。【木下大輔】