日本ハム有原航平投手が、ハーラートップに並ぶ9勝目を挙げた。

乱れても、得点は与えなかった。1回の先頭から四球を許すなど、今季ワースト5四球。「制球はうまくいかなかった」と反省も、強力打線相手に踏ん張った。毎回の11奪三振で7回1安打無失点。「守備が良く守ってくれて、この結果になった」と感謝した。

身も心も、エースの品格が漂い始めた。開幕2連勝の権利を持って降板した4月7日の西武戦。9回に登板したハンコックが逆転を許し、白星が消えた。試合後、有原は通訳を通してハンコックに連絡。「気にしないでほしい。また次も、自分の後を投げてほしい」と責めなかった。続く同14日のロッテ戦では、2人のリレーで、並んでお立ち台に立った。

自身3試合ぶりの勝利。栗山監督は「素晴らしかった。文句も見つけようない。難しいゾーンでの勝負で、よく我慢し続けた」と賛辞を贈った。前半戦最後の登板で弾みを付け、球宴に臨む。「(前半戦は)もったいない投球もあった。後半戦は、もっとチームに貢献したい」。チームの命運が、一層頼もしくなった背中に背負われている。【田中彩友美】