楽天が17年以来となる9連敗で5月18日以来の4位に転落した。

平石監督が「やらなくていい点。防げるミス」と指摘した守備のほころびで流れを手放した。1回に10試合連続で先制されると、1死一、三塁から高々と上がった打球を遊撃、左翼、中堅がお見合い。これが適時打となり、2点目を与えた。同点の5回には二盗阻止を狙った山下の送球が大きくそれ、死球で出した一走が三塁まで進塁。中田に犠飛を許し、無安打で決勝点を献上した。

打線も3戦連続で4番に据えた浅村が沈黙。同一カード3連戦無安打は移籍後初めてだ。補強の目玉として重圧を背負いながらここまで期待に応え、チーム唯一のフルイニング出場も続ける。平石監督は「どっしりと、堂々と構えてくれていたら、それでいい」。あらためて存在の大きさを強調し、信頼は揺るぎない。

反発力は見えた。移籍後初スタメンから2試合連続で5番起用の下水流が2回にヘッドスライディングで移籍後初安打をもぎ取り、3回には一時勝ち越しとなる右前適時打を放った。その下水流に続く今月2件目のトレードで、巨人から和田も獲得した。将来の中軸候補だが、手薄な右打者への期待は高い。平石監督は「過去よりも未来が大事」と力強く前だけを見据えた。【亀山泰宏】