キタ、キタ、キタ-! 日本ハムが4連勝で、首位ソフトバンクに0・5ゲーム差に迫った。西武17回戦(メットライフドーム)は、4点を追う5回、四球を挟む3連打に渡辺諒内野手(24)の右犠飛で1点差に詰め寄ると、2死一、二塁から石井一成内野手(25)が右翼線2点適時三塁打で逆転した。首位浮上を狙い、28日西武戦(同)で今季5度目の同一カード3連勝を目指す。

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気持ち良いほど鮮やかな逆転劇だった。4点を追う5回、一気に攻勢に出た。下位打線から四球を挟んでの3連打などで1点差とすると、さらに2死一、二塁で石井。「つなぐ気持ちで、コンパクトに(バットを)振ろうと思った」。内角の146キロを引っ張り、右翼線へ転がす逆転2点適時三塁打。この回、打者10人を送る猛攻で、強打の獅子を打ち負かした。

石井にとっては、作新学院3年で、自身と同じく野球部主将を務める弟巧の活躍が刺激になっている。「僕と全然、違って、すごくおとなしい」と話していたが、最上級生になって変化も見受けられるという。「ライブ中継で試合を見ていても、自分よりキャプテンらしい。声と存在感で、しっかりチームを引っ張っている」。同校は28日に聖地切符をかけ決勝戦に臨む。野球センスは「抜群。すべてで、兄の上を行っている」と苦笑いしながら、応援している。

7回にも追加点につながる右前打を放つなど、3安打で4連勝に大きく貢献した。「最近は、やりがいを感じている。チームに貢献できる打席が増えてきたから」。同じ栃木県出身の北浦のプロ初勝利をアシストし「同郷の子の活躍は本当にうれしい」と優しく目を細めた。

台風顔負けの勢いで暴れ回って、首位ソフトバンクに0・5差と最接近だ。栗山監督は「まだまだ、全然だよ。今、みんなが勝とうとしていることが大事」と、あくまで平常心。28日西武戦(メットライフドーム)に勝ち、ソフトバンクが敗れれば、6月14日以来の首位に再浮上する。【中島宙恵】