高卒2年目左腕の日本ハム北浦竜次投手(19)が、プロ初勝利を挙げた。西武17回戦(メットライフドーム)の2番手として今季初登板。4点を追う展開の中で、1回2/3を3安打1失点と好投して相手山賊打線の勢いを止め、記念星が舞い込んだ。清宮世代の快投が起爆剤となり、チームは4連勝。首位奪取が見えてきた。

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期待の新星に、プロ1勝目が舞い込んだ。北浦は試合後、栗山監督と照れくさそうに握手を交わした。ヒーローインタビューでは「僕の持ち味としている直球で押して、自分の投球ができればいけると思った」と笑った。

出番は3回1死走者なし。4点ビハインドの劣勢の中、唇を真一文字に結びマウンドに上がった。武器の直球を軸に、果敢に攻めた。自己最速にあと「2」に迫る150キロを3度計測。先発浦野が序盤だけで4被弾した強力打線相手には「正直、怖かった…」と苦笑いも、舞台に立てばひょうひょうと立ち向かった。

1年目の昨季、片りんを示していた。プロ初登板の10月4日楽天戦。1点リードの8回に登板し3者凡退で、プロ初ホールドを挙げた。栗山監督ら首脳陣の期待は大きかった。当初は約1カ月早い9月7日の同戦でプロ初先発が用意されていた。北海道胆振東部地震の影響で試合中止に伴いデビューも流れたが、再び巡ってきたチャンスで結果を残した。

高校時代から、日本ハム流「本格派投手」への素質を評価されていた。左の速球派としてだけではなく、高い打撃力で「エースで4番」を兼任していた。投打の二刀流で球界の常識を覆してきた球団への入団が決まると、北浦は入寮時に「バットは必要ですか?」と担当の西スカウトに確認。同スカウトからは「体幹の強さがないと打球も飛ばない。速い球を投げるためにも必要なこと」と姿勢を評価された。

「(記念球は)ポケットに入れているんですけど…。大切にしたいです。とてもうれしいですけど、これをどんどん積み重ねていきたい」。清宮世代、伸びしろ抜群の左腕がプロのスタートを切った。【田中彩友美】

▽日本ハム栗山監督「ボールが良かった。強かった。必死に投げてくれるのは大事」

▽日本ハム木田投手チーフコーチ(プロ初勝利の北浦に)「ビハインドのところで、しっかり投げてくれて逆転できた。ナイスピッチ」

◆北浦竜次(きたうら・りゅうじ)2000年(平12)1月12日、栃木県生まれ。白鴎大足利では3年春の県大会で優秀選手に選出。17年ドラフト5位で日本ハム入団。18年10月4日楽天戦でプロ初登板。今季推定年俸560万円。184センチ、91キロ。左投げ左打ち。