ソフトバンクが5回に足攻で2点を奪い日本ハムに連勝した。8番の代打福田、9番甲斐の下位打線でつくった1死二、三塁のチャンスで、1番明石健志内野手(33)が中前に決勝打となる2点先制適時打を放った。

チームは3連勝。この日2位浮上した西武とのゲーム差は5、日本ハムとは5・5差に広げ、リーグ優勝へ再び独走の気配となってきた。

   ◇   ◇   ◇

牧原負傷というピンチから、一気に難敵ロドリゲスを攻略した。5回1死、牧原が右足くるぶし付近に自打球を当て途中交代。緊急出動した代打福田が自身の1球目を三塁前にセーフティーバント。内野安打で出塁した。ベンチから飛び出して、3度大きくジャンプ。ブンブンとスイングし打つ気満々で打席に入ったが「打席から見たら一、三塁手の守りが深かった」と相手の隙を逃さず自らの判断で転がした。

続く9番甲斐の3球目にヒットエンドラン。甲斐は高め151キロを右翼線へ鋭くはじき返し、一、三塁とした。「しっかり決められてよかった。集中してできた」と話す甲斐は、続く明石の初球、偽装スクイズで二盗に成功し二、三塁に。日本ハム内野陣が前進守備になったところで、明石が中前へ決勝の2点適時打。「普通(の守備位置)だったら遊ゴロでしょ。始めは外野へ犠飛を打ちたかったが、ツーシームが結構逃げていくので、転がせばと。最後は若干、甘いところに来た」と、こちらも冷静に状況を判断し、150キロ超のツーシーム、140キロ台のチェンジアップを投げる難敵から2点を奪った。

工藤監督も「ロドリゲスには前回(4日)も(5回1失点と)抑えられた。何か動いた方がいいと思った」と、積極的に動いて少ないチャンスをものにした。日本ハム戦は今季12勝6敗1分け。3位に転落させ、ゲーム差は5・5まで広げた。故障者も戻りつつあり戦力もアップしている。

森ヘッドコーチは自打球で負傷交代した牧原に「万が一のために(右足に)レガースをしていないと」と苦言を呈した。内、外野を守り支える大事な戦力だからこそだ。牧原がベンチに下がった時、甲斐も今宮からレガースを借り打席に入った。残り36試合、新たな故障者を出さないように、工藤監督はできる限りの故障防止を望む。12日はベテラン和田が復帰先発。さらに充実した戦力で、一気に優勝へ加速する。【石橋隆雄】