2夜連続でリリーフ陣が終盤に逆転され、広島が痛恨の連敗を喫した。首位巨人との差が3・5ゲーム差に開く中、その宿敵と12日からマツダスタジアムで直接対決に臨む。第3打席まで10打席連続出塁を続けた4番鈴木誠也外野手(24)は、これまでと変わらぬ意識で臨む構え。逆転4連覇に向けた正念場でも、チームプレーで勝利を目指す。

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痛恨の2夜連続逆転負けだった。8回表まで5-2と必勝パターン。しかし、8回に今村が3連打で追い上げられ、スクランブル登板のフランスアが糸原に同点二塁打を浴びた。さらに野選で勝ち越され、逃げ切られた。大きなダメージを負う連敗となった。

痛い敗戦の中で、鈴木が必死にチームを支え続けた。2回に右前打で出塁し、会沢の同点打を呼び込んだ。3回は勝ち越しの中前適時打を鋭く放った。5回は四球で出塁し、チャンスメーク。これで9日阪神戦の第3打席から10打席連続出塁。第4打席で記録は途切れたが、勝ちパターンを演出したのは、まぎれもなく4番鈴木だった。

できることすべてに全力を尽くす。試合前の打撃練習中には、右翼の守備位置で打球を追った。京セラドーム大阪は打球が見にくいといわれる。今季公式戦は3戦しかないが、それでも守備感覚を磨くため、前日に続いて確認作業を行った。打つだけではない。走塁も守りもできるだけの準備をする。連続出塁は、そういう姿勢の延長線上で生まれた。

打率を3割3分6厘に上げ、首位打者争いのトップをキープした。球界屈指のパワーを誇るが、本塁打を狙わず、ヒットの延長が本塁打という考え。10打席連続出塁については「どうでもいいです。チームが勝てばいい。僕はそのためにしっかりやれればいい」とそっけなかった。

12日から3・5ゲーム差がついた首位巨人と3連戦を戦う。鈴木は「巨人だからといって(特別な意識はない)。阪神戦も負けようと思ってやっていない」と唇を結んだ。正念場。勝利だけを見据え、チーム打撃に徹する。【村野森】