新潟医療福祉大は平成国際大を延長10回、5-0で下し4連勝とした。勝ち点を獲得し、今季の勝ち点を2とした。

先発の桐敷拓馬投手(2年=埼玉・本庄東)が延長戦のため参考ながらリーグ記録に並ぶ18奪三振の快投で、リーグ戦初完封。打線も延長10回に碇大誠左翼手(3年=栃木・作新学院)の左翼線2点適時二塁打などで一挙5得点を挙げ、試合を決めた。

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左腕・桐敷が奪三振ショーを演じた。3回と6回に3者連続三振を奪うなど、5回を除き9回までに16奪三振。5点リードの延長10回裏2死。平成国際大・坂本を空振り三振に打ち取ると左手でガッツポーズ。延長10回に2三振を積み上げ、18Kのショーを締めた。

初回1死満塁のピンチが桐敷に火をつけた。5、6番の中軸打者を迎え、自己最速146キロの直球を連発し、連続三振に仕留めた。「ここを乗り切れたのが大きかった」と桐敷。その後も140キロを超える直球と得意球のチェンジアップ、さらに試行段階というフォークも織り交ぜながら三振の山を築いていった。リーグの1試合(9イニング)最多奪三振記録は94年大田義朗投手(関東学園大)の18。延長戦で参考ながら、その数字に並び「しっかり腕が振れていたことが大きかった」と振り返った。

同じく好投を続ける平成国際大の先発深田との我慢比べにも勝った。沈黙していた打線が延長10回表1死二塁、伊藤拓将(3年=新潟明訓)の遊ゴロを遊撃手が三塁に悪送球し、先制。その後も碇の2点適時二塁打などで力投のエースに5点をプレゼントしていた。

この日の桐敷はタフさも見せつけた。「体幹と足腰のトレーニングに励んできた」。安定したフォームで投球の疲労は軽くなり、体重の乗った力強い球を投げることができるようになったという。「立ち上がりが悪かった」と反省も忘れなかったが、日ごろの努力が実を結んだリーグ戦初の完封勝利だった。

2年生左腕の快投に佐藤和也監督(63)も「今までで一番のピッチングだった」と賛辞を贈った。同じ左腕の教え子、OBで現中日の笠原祥太郎投手(24)の2年時と比べ、「桐敷の方がいいね」と今後に大きな期待を寄せていた。【山岸章利】

◆桐敷拓馬(きりしき・たくま)1999年(平11)6月20日生まれ、埼玉県鴻巣市出身。埼玉・行田シニアから本庄東高校。高3夏、県大会4回戦の市立川口戦で延長12回を投げ19三振を奪ったのが1試合奪三振の自己最高記録。178センチ、84キロ。左投げ左打ち。